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石川文子さんの3冊目となる作品集は、約200×148mmの大判ポストカード32枚を無線綴じで束ねた、ポストカードブック写真集。淡く、くっきりとは見えない世界に満ちる色と光。目の前の光景が移ろいゆく一瞬一瞬の連続であることを強く感じさせます。
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「僕には光が見えはじめている」
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4年程前の夏の話になりますが、スランプの時期を経験しました。
撮る前に既に、自分の作品の完成のイメージが分かってしまい写欲が沸いてこないのです。
無理矢理気持ちを奮い立たせ、撮影をし、何本もフィルムを費やし現像をする。
それはそれで悪くないのですが、出来上がった作品を見ても喜びを感じられない。
撮ることが楽しくないのです。
分かりきった結末の映画を何回も見ているような空虚感がありました。
ちょうどその頃、頸椎のヘルニアを患い、一眼レフカメラを持てなくなった時期とも重なり、ますます撮ることから離れてしまうという悪循環でした。
秋口になり、身体の方がずいぶん回復してきましたのでふとカメラを持って外に出てみました。
公園、水辺、植物園、思うままに私の好きなところを歩きました。
光が柔らかくなったなぁ、緑がきれいだなぁと、ただ眺める。そしてシャッターを押す。
すごいものを撮ってやろう、というのではなく、ただ、そこに光があるだけでそれでいいという心境です。
花がある、そこに光が差している、水辺に緑が映り込んでいる、部屋の午後の柔らかい光、ただそれを見つけて撮る。それだけです。
カメラを持っている、光に反応して撮る、それだけです。
スランプの時期を脱したのか、それは分かりません。
まだその中にいるような気持ちになる時もあります。
でも、この世に光があれば、もしかしたらまた何か撮ることができるかな、と思えるようになりました。
私の写真を撮るという行動は、コンセプトはありません。
ただ、美しいと感じる景色や花、緑、そして光や水身体で感じて目に映してやりたい、そして記録したい、願わくばフィルムに定着させたいという本能的な欲望に基づいた行動です。
私の光の記録です。
石川 文子
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■ 商品仕様
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出版社:私家版
発行年:2014
サイズ:200×148mm
ページ:32ページ(200×148mmのポストカード32枚)
重さ:220g
製本:無線綴じ
言語:日本語
エディション:不明
コンディション:新刊
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■ 商品の店頭 購入 / 受け取りも可能です
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ギャラリー・ソラリス(大阪・心斎橋)店頭での購入 / 受取りも可能です。
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