育緒氏は京都に生まれ、東京、メキシコシティ、ハリウッド、サンフランシスコなどに暮らし、現在は東京と京都を行き来しながら活動している写真家です。2003年から2年間にわたって滞在したハリウッドでの、自由や快楽におぼれていく人々、街の様子を捉えた作品「甘い地獄」では、2007年 土門拳文化賞を受賞し、「文明や物質社会への鋭い批評精神をもった作品で、表現者としての鋭い視点や思想性が光る秀作」と評されました。
「3 straight stories」は育緒氏にとって2冊目となる写真集。そのタイトルの通り、『プラトンの洞窟』、『瞬きもせず』、『Träumerei トロイメライ』の3部による構成となっています。
カメラのデジタル化と、日本社会のデジタル化を重ねあわせながら、「実体」を失うことの意味に目を向けた『プラトンの洞窟』。
20代に中米のグアテマラ共和国で撮影したポートレートを50代になった今、見つめ直して再構成した『瞬きもせず』。
そして、明るい外に眼を向け、今の自分の思いを写した『Träumerei トロイメライ』(ドイツ語で「夢みること」の意味)。
なかでもトロイメライは、長いコロナ禍の生活や悲観的なニュースに溢れる閉塞的な空気で疲弊し、逃げるように出入国管理が緩和されたばかりのベルギーの小さな農村へ旅に出たという育緒氏が、そこで感じた柔らかい色・光・フォルムと心の繋がりから生まれた最新作となります。
これら3つの作品シリーズから構成された今写真集は、育緒氏が作品「甘い地獄」で評された時と変わらぬ<文明や物質社会への鋭い批評精神>を持った作家であることを感じさせます。今もまだ続いてはいますが、苦しいコロナ禍を過ごしたからこそ生まれた今写真集、ぜひともご高覧ください。
前文に福川芳郎(ブリッツ・インターナショナル代表)による「コロナ禍における写真家の内面ドキュメント」、巻末に長島有里枝(写真家・文筆家)による「見えないことは見ないことじゃない」、岡村嘉子(美術史家)による「手触りの形見」収録。
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■ 商品仕様
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出版社:FCR books
発行年:2022
編集・デザイン:育緒
印刷:株式会社サンエムカラー
サイズ:約203×254mm
重さ:約365g
ページ:96ページ 掲載点数125点
製本:無線とじ
言語:日本語
コンディション:新刊
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